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Jetpackなしで iPhoneからWordPressに写真をアップロードする方法(2026年版)

自分はクライアント向けにセルフホストのWordPressサイトを20個くらい管理しています。そのうちJetpackをインストールしているサイトはゼロ。Jetpack自体は悪いプラグインじゃないけど、自分の用途には重すぎるし、必要のないときにクライアントのサイトをWordPress.comのインフラに接続するのは避けたい。

問題は、WordPress公式モバイルアプリがセルフホストサイトで使うにはほぼJetpack必須だということ。なので何年もの間、iPhoneからWordPressに写真をアップロードするには、Safariを開いて小さい画面で管理画面にログインして、アップロードがタイムアウトしないよう祈るしかなかった。

いろいろ回避策を試した。頭のいい方法もあった。でもだいたい面倒だった。ここでは自分が学んだことをまとめます。

なぜJetpackの話が出てくるのか

WordPressモバイルアプリは内部でWordPress.com APIを使っています。WordPress.comのサイトならそのまま動くけど、セルフホストサイトの場合はJetpackがサーバーとWordPress.com APIの橋渡しをしてくれないといけない。

Jetpackがないと、アプリはXML-RPCかWordPress REST APIにフォールバックします。XML-RPCはセキュリティ上の理由で多くのホスティング会社が無効にしている。REST APIは動くけど、セルフホストサイトでのアプリのサポートはずっと不安定だった。ログインに失敗する、メディアが同期されない、アップロードが止まる。この問題のデバッグに費やした時間を思い出したくもない。

つまり、Jetpackを使いたくないなら、まったく別のアプローチが必要になる。

方法1: Siriショートカット

2023年頃、REST APIを直接叩いてWordPressに写真をアップロードするSiriショートカットを公開した開発者が何人かいた。アイデアとしてはいい感じで、写真アプリで写真を選んでショートカットを実行すると、サイトの/wp/v2/mediaエンドポイントにPOSTしてくれる。

試してみた。技術的には動く。でも「技術的に動く」と「ちゃんと使える」は全然違う。

セットアップは慣れている人でも15〜20分かかる。WordPressのアプリケーションパスワードを作って、REST APIのベースURLを確認して、両方をショートカットの設定に貼り付ける必要がある。パーマリンク構造が標準じゃなかったり、REST APIのアクセスを変更するセキュリティプラグインが入ってると、401エラーの原因を探るのにさらに1時間使うことになる。

設定が済んでも、ショートカットは写真を1枚ずつループでアップロードする。進捗表示はくるくる回るスピナーだけ。1枚でもアップロードが失敗すると(実際によく失敗する、特にモバイル回線だと)、ショートカット全体が止まる。リトライもない。どの写真が送れてどれが送れなかったかを自分で確認して、残りの分だけもう一回実行する必要がある。

一番困るのは、Siriショートカットは壊れるということ。AppleはiOSのバージョン間でショートカットのランタイムを変更するし、コミュニティ製のショートカットは積極的にメンテナンスされていない。自分が使っていたやつはiOS 18.2以降で動かなくなって、誰も直してない。

こういうのをいじるのが好きな人にはいいかもしれない。でも日常的に使うなら、おすすめはしない。

方法2: モバイルブラウザからアップロード

力技の方法。Safariを開いて、yoursite.com/wp-adminにアクセスして、ログインして、メディアに移動して、「新規追加」をタップして、写真を選択する。

Jetpack不要。追加アプリも不要。どのWordPressサイトでも使える。

でもめちゃくちゃ時間がかかる。WordPress管理画面はスマホ向けにデザインされていない。ボタンは小さい。アップロードの進捗表示はほぼ見えない。そして15枚アップロード中に画面がロックされたら、Safariが接続を切る。最初からやり直し。

この方法を3年間使った。毎回イライラする。iPhoneの画面でWordPress管理画面を使うのは、鍵穴越しにデスクトップアプリを操作してるような感じ。できなくはない。でも毎回ストレスがたまる。

写真1枚ならまあいい。5枚以上なら別の方法を探したほうがいい。

方法3: SnapPress(自分が実際に使っている方法)

ここは正直に言っておくと、他の方法にストレスがたまりすぎて自分でアプリを作った。それがSnapPressです。

仕組みはシンプル。WordPressサイトに小さなプラグイン(SnapPress Connect)をインストールする。QRコードが生成される。iPhoneのSnapPressアプリでスキャンする。完了。サイトが接続される。

あとは最大20枚の写真を選んでアップロードをタップするだけ。WordPress REST APIを通じて直接メディアライブラリに送信される。Jetpackなし。WordPress.comアカウントなし。XML-RPCなし。HTTPSとアプリケーションパスワードだけ。

一番時間を節約できているのはShare Extension。写真アプリで写真を選んで、共有ボタンをタップして、SnapPressを選ぶと、アプリを開かなくてもアップロードが始まる。週に何度もクライアントサイトに写真をアップロードする身としては、1バッチ10分かかっていた作業が60秒以下になった。

セットアップは約90秒

  1. WordPressプラグインディレクトリからSnapPress Connectをインストール。
  2. ダッシュボードでツール > SnapPress Connectに移動。
  3. 「ワンタップでQRコード生成」をクリック。
  4. SnapPressアプリでQRコードをスキャン。

これで終わり。プラグインがアプリケーションパスワードを自動で作成して、サイトURLと認証情報をQRコードにエンコードして、アプリがすべてをiPhoneのKeychainに保存する。スマホのキーボードでパスワードを入力する必要は一切ない。

できないこと

SnapPressはメディアライブラリへのアップロード専用。投稿やページは作成できない。スマホでサイト全体を管理したいなら、WordPressアプリ(+Jetpack)のほうが向いてる。SnapPressが解決するのはひとつだけ。Jetpackなしで、スマホから写真をWordPressに速く送ること。

価格は$2.99(¥500)の買い切り。サブスクリプションなし。

比較表

Siriショートカット モバイルブラウザ SnapPress
Jetpack必要 いいえ いいえ いいえ
セットアップ時間 15〜20分 なし 約90秒
一括アップロード 順次(不安定) 可能(遅い) 並列(最大20枚)
Share Extension 一応あり なし あり
iOSアップデートで壊れる よくある なし なし
価格 無料 無料 $2.99

本当の問題

WordPressのモバイル対応はずっと「Jetpackを入れてね」だった。WordPress.comユーザーにとってはそれでいい。でも、セキュリティ要件があったり、パフォーマンス予算があったり、単にプラグインを減らしたいだけのセルフホストサイト運営者にとって、その回答で満足できたことは一度もない。

REST APIはWordPressバージョン4.7からコアに入っている。アプリケーションパスワードは5.6で追加された。Jetpackなしでモバイルアップロードを実現するためのパーツはもう何年も前から揃っていた。それを組み合わせてアプリにするのに時間がかかっただけ。

もし同じ状況にいるなら(セルフホスト、Jetpackなし、スマホから写真をアップロードしたい)、SnapPressを試してみてほしい。自分のために作ったツールだけど、同じことで困っている人は他にもたくさんいた。